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レーシックの合併症
医療において、手術と呼ばれるものに100%の安全と断言できるものはありません。
非常に安全な手術といわれるものでも、ごくわずかながら必ず合併症を生じる可能性があるのです。
手術は人と機械が行うもので、人それぞれ体質や特徴などもさまざまなので思わぬことや、合併症の起こりやすさなどもかわってきます。
レーシックはかなり安全に行われる手術のひとつですが、以下のような合併症の可能性があります。
【ある程度起こりうる可能性がある合併症】
◆ぼやける・・・手術の直後は全体的にぼやけて、少し霧がかかったように見えます。その後は、徐々に霧が晴れてくるように見え方が改善していきます。一時的に近くが見えにくくなる事もありますが、これも時間と共に改善します。
ただし、年齢が高く、近視・遠視・乱視の度数が強い場合には、視力が安定するまでに1〜2ヶ月かかる場合があります。
◆見え方の質の低下・・・光が少々にじんで見えたり、まぶしかったり、また明るい場所に比べて暗い場所あるいは夜間などに視力の低下を感じることがあります。
通常、このような見え方の質の低下は、手術後半年ほどで約90%の人が改善または消失しますが続く事もあります。
また、手術前の不自由さに比べたら「まったく気にならない」という人もいれば「気になる」という人もいるように人それぞれ感じ方に個人差があります。
◆ドライアイ・・・手術後の2〜3ヶ月は眼が乾燥しやすい状態になります。レーシックで角膜フラップを作る時に、角膜表面に近い神経を一度切断しているためです。これは、手術の傷や神経の再生と共に改善していきます。
但し、レーシックはドライアイのあった人では、手術前のドライアイが消失することはありません。
◆オーバーシューティング・・・近視の矯正をした場合には手術後の一時的な遠視化、遠視を矯正した場合には手術後の一時的な近視化が生じることがあります。この程度は手術前の度数が強いほど大きくなります。経過と共に徐々に減少して落ち着いていきます。
◆矯正不足、過矯正・・・目標としていた視力に足りなかったり、矯正が強すぎてしまうことです。どのような屈折矯正法でも100%の精度で屈折矯正を行うことは不可能といえます。しかし、この矯正の精度は近年とても上がっていて、手術前の-6D以内の軽度〜中等度の人の場合、術後92%以上の人が1.0の視力を得ています。矯正の精度は手術前の状態によって変化しますがあらかじめ予測がつきます。
◆屈折の戻り・・・手術後しばらく正視の状態であっても、手術後6ヶ月または、1年以上経過して屈折が変化し、近視、遠視や乱視の状態に戻ってしまうことがあります。手術前の度数が強いほど「戻り」が出現する可能性が高くなります。「戻り」の程度が強い場合には、再手術を行う事もあります。
また、手術とは関係なく、眼軸が徐々に伸びたり白内障が進行したりして屈折が変化する場合があります。
【まれに起こる可能性がある合併症】
◆上皮欠損・・・手術中に角膜表面の上皮が一部剥けてしまうことがあります。高齢の人や以前、角膜に傷を負ったことのある人に起こりやすい傾向があります。
◆フラップの位置ずれやシワ・・・手術後の早い時期に目をぶつけたり、強くこすったりするとフラップがずれたりシワが出来てしまう可能性があります。
数日以内に的確に整復すれば、ほとんど綺麗に治りますが、長い時間放置して置くと元に戻らず、視力低下の原因になります。
◆DLK(Diffuse Lamellar Keratitis)・・・手術後1日〜1週間で発症するフラップの下の炎症です。ほとんどの場合は点眼薬や内服薬の追加で治りますが非常に稀に悪化することがあり、その場合は手術的な措置が必要になります。
適切な時期に適切な治療を受ける事で処置できますので、手術後の定期検診をきちんと受ける事が大切です。
◆上皮迷入(Epithelial Ingrowth)・・・本来は角膜の表面を覆っている上皮細胞が、フラップの下に入り込んでしまう現象です。稀に進行して手術的な処置が必要になることがあります。
◆矯正視力の低下・・・稀に、手術前に比べてメガネなどによる矯正視力が1〜2段階低下することがあります。
◆乱視の増強・・・レーザーを当てる部分のズレが起こって乱視が出現したり増強したりすることがあります。
◆角膜エクタジア・・・安全な角膜の厚さを残さずに無理に角膜を薄く削りすぎると、角膜の強度が低下して変形を起こし、強い乱視を引き起こすことがあります。通常はメガネやコンタクトレンズで矯正しますが、矯正しきれないほどの変形を起こした場合は角膜移植や角膜内リング挿入などの手術が必要になります。安全な角膜の厚さを残し、適応をきちんと見極めれば起こりえない合併症です。