角膜屈折矯正手術とは
【角膜屈折矯正手術とは】
角膜屈折手術には、眼科医がメスで切開して角膜の形状を変化させるRKと、特殊なレーザー照射によって角膜の形状を変えるレーザー手術の2通りがあります。
レーザー治療には現時点ではPRKとLASIKの二つの方法が確立されています。
これらの治療はアメリカをはじめとする諸外国で積極的に行われてきましたが「正常な組織に傷をつける」という手術の特性から日本では慎重な立場をとる眼科医も多くあります。
【放射状角膜切開術】
●角膜はコラーゲン組織でできたドーム
角膜というのは、地球儀を半分に切ってお椀のように被せたものです。
地球儀には、南北を結ぶ経線と東西を結ぶ緯線があります。
角膜は「コラーゲン」という繊維が地球儀の経線と緯線のように織りあいながら構成されています。
経線と緯線のバランスによって綺麗な曲率の丸いドーム型を保っているのです。
角膜は、眼の黒目部分を形作っている組織です。角膜の一番外側には厚さ50ミクロン程度の上皮という部分があり、上皮細胞によって構成されています。
上皮は5〜6層ほどからなっていて、外側にいくほど扁平な細胞になります。その内側に実質という部分があり、これらが角膜の本体です。角膜本体の厚さは、0.5mm(500ミクロン)ほどですが大半は実質です。
実質はほとんどコラーゲン繊維からできていて、その間に実質細胞を含むような構成になっています。
さらに、角膜の一番内側には内皮があり内皮細胞からできています。
上皮と実質の間には、ボーマン膜と呼ばれるコラーゲンでできた膜があります。また、実質と内皮との間にはデメス膜があります。上皮、実質、内皮という構成は人間の皮膚の構造と似ています。
コラーゲン繊維はそうめんの束のようで、実質は、コラーゲンの束を一定の角度で交わせながら形作られているので電子顕微鏡で見ると横に長く伸びた繊維の横顔と点々の組織(繊維を真正面から見たところ)が折り重なっている様子がわかります。コラーゲン繊維は約200〜300層もあり、0.5mmの中にぎっしりと詰め込まれています。
●角膜の緯線をカットする
角膜の屈折矯正手術としてレーザー治療が主流になるまえは、医師の手によって角膜にメスを入れる
放射状角膜切開手術(RK)が盛んに行われていました。
角膜は地球儀の経線、緯線のようにコラーゲン繊維が交わりドーム型を形成しています。RKでは角膜を放射線状に緯線だけを切っていくのです。
緯線を切るということは、鉢巻のようにドームを締めつけている力を弱めることになります。
すると、角膜全体の形が緩んで、中央部分がわずかにくぼみます。中央がくぼむということはそれだけ眼の奥行きが短くなることを意味します。
網膜の手前でピントが合っていたのが光軸が短くなってために網膜でピントが合うようになります。これがRKと呼ばれる手術の大まかな理論です。
RKの原点は、1950年頃に順天堂大学の佐藤教授により行われた角膜の表面と裏面を切開する手術でした。
しかし、この時の手術では手術に伴う重い合併症などが認められたことから多くの眼科医が手術に対して消極的な立場をとり普及することがありませんでした。
しかし、海外ではその技術の一部をとりあげ、1980年頃から盛んに角膜の前面のみを切開する手術が行われました。現在のRKは危険性も少なく術後の成果も良好な例も多く佐藤教授の行ったRKとは基本原理は同じでも手術としては異なる治療法といっても良いものになっています。
●眼科医の技量が左右するRK
RKは角膜をダイアモンドナイフと呼ばれる極めて鋭利なメスで放射状に切開します。
切開は、眼科医の手で行うため医師の技量が手術の成果を大きく左右します。
RKの利点としては、視力確保に最も重要な角膜中央部にメスを入れなくて済むことが挙げられ術後の視力回復が早いのも特徴です。
しかし、角膜のドーム形を作っている組織にメスを入れるので手術をしていない人に比べると眼球の強度が弱くなることは避けられません。ただ、弱くなるといっても普通の社会生活を営む上では殆ど支障はありません。
しかし、事故等で強い衝撃を受けた時等に、一般の人よりは眼球が損傷するリスクが高くなります。
また、RKでは眼に放射状に切り目をいれるため夜間の自動車のヘッドライトを見たときに、光が星の様な放射状に見えるグレアと呼ばれる症状が合併症として現れることがあります。
RKによって視力を回復させることができる範囲は、−3Dまでとされているため、中〜高度近視の人たちの視力を改善することができない点もこの手術の課題と言われれきました。
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