近視と遠視、老眼について
●熟年の眼の調整力は赤ちゃんの10分の1
眼の加齢、老眼は歳をとれば誰にでも現れる症状であり、病気という概念はないとおもいます。
外界からの光が真っ直ぐ眼に届き、角膜と水晶体で2度屈折されて角膜にピントがあいます。
遠くから届く光は真っ直ぐ(平行)ですが、ごく近くから届く光は平行ではなく拡散しながら目に届きます。
眼は、このように拡散する近くの光に対してもピントを合わせている(つまり近くのものを見ている)のです。
当然のことながら、真っ直ぐな光と同じ屈折力では、網膜の上にピントを合わせることができません。
そこで、角膜の形は変える事ができないため、可変性のある水晶体を厚くしたり薄くしたりしながら屈折力を調節し、網膜上にピントを合わせています。ところがこの水晶体の調整する力は年齢によって変化します。
たとえば、赤ちゃんの場合、眼のピントは非常に近接した10センチ程度から無限大まで合わせることが可能だと考えられています。
それくらい柔軟に水晶体の厚みを変えられるのです。
眼がピントを合わせることができる幅を「調整力」という言葉で表し、赤ちゃんの場合はおおよそ20D(ジオプター)の調整力があります。
ところが、調整力は20歳前後で10Dつまり半分にまで低下します。
さらに、50歳くらいの熟年と呼ばれる年齢層になると、3Dとか2Dという低い値まで落ちてしまうのです。
●調節力の低下が老眼
歳をとるにつれて水晶体の調整力が弱くなってきてピントの合う範囲が狭くなっていきます。
眼は、近くにピントを合わせる力から弱くなっていきます。
眼から10センチの距離にピントを合わせられたが20センチになり30センチになり、やがて50〜60センチ離さないとピントが合わなくなり新聞や本を読む時には、遠ざけて見るようになる一方、遠くを見る力あまり衰えません。
眼の異常のカテゴリーで言うと
老眼・・・調節障害
近視・遠視・・・屈折障害
なので、近視の人も、遠視の人も老眼になるのです。
まず、ボーっと体の力を抜いた状態で、その時に見える位置と言うのは人それぞれ決まっています。
仮に、正視の人が力を抜いた時に、ピントのある距離が3m先だとし、近視の人は1m、遠視の人は10mとします。
加齢と共にピントを調整でき幅が手前(近く)からしだいに衰えていくため、遠視の人は早い時期から老眼を感じるようになります。
私達が日常生活で本を読んだり書類を書いたりする時に眼から離している距離はおよそ30〜40センチ程度です。
遠視の人が老眼になりはじめると30〜40センチが範囲外になってしまうのです。
一方、近視の人は、もともと近くにピントの中心があるため遠視の人と同じ速さで老眼が進んでもなかなか30〜40センチの距離が「範囲外」になりませんので老眼になったと感じにくい理由です。
実際には、老眼になっても進行するまでに日常生活に不便を感じないため気づくのが遅くなります。
正視の人も、近視、遠視の人も日常生活を営むのにいつかは老眼鏡が必要になります。
手術で屈折異常を治してもやがて調節異常(老眼)のためにメガネが必要になります。
特に、近視の人を正視にすると言う事は、老眼を感じる年齢が早くなるということになり
せっかく、角膜屈折矯正手術で近視用メガネから解放されても、すぐ老眼用メガネが必要になるということもありえます。
なので、手術を受ける年齢も十分考慮する必要があります。
●乱視とは
角膜の形が歪んでいる人は、縦と横方向のカーブ(曲線)が違っているためピントのあう位置にズレが生じます。
これを乱視といいます。
もともと眼は完全な球体ではないため、程度の差はありますが誰でも乱視を持っています。
そのズレが病的といえるほど大きなものなのか、あるいは検査した先生によって乱視に対する説明が変ってきます。
乱視は、眼軸の長さとは関係ないので近視で乱視、遠視で乱視ということもあります。
角膜屈折矯正手術では乱視の人に対する治療も可能です。
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