近視の種類と程度
●手術の対象となる軸性近視

視力が正常なことを正視、
近くは見えるけど遠くが見えにくいことを近視、
その逆に遠くも見えにくいが近くがより見えにくいことを遠視と言います。
近視には厳密には二つ種類があると言われています。
最も多いのが「軸性近視」と呼ばれるものであり、近視矯正手術の対象となるタイプです。
軸性近視とは、一言で言えば、《目の奥行きが長い》ために起こる近視の事です。
軸性近視の人は普通の人よりも目の奥行きが長いため、ピントが網膜の手前で合ってしまい、網膜上では画像がボケたように見えるのです。
目の白眼の部分は強膜といって、角膜や水晶体を包み込むいわばカメラのボディのような存在です。
このボディが正視の人よりも大きく、そのため光の軸が長くなる事から軸性近視と表現します。
この逆にピントが網膜の後ろ側で合ってしまうことを遠視と言います。
外界から目に入ってきた光は、角膜と水晶体で二回屈折して網膜にピントが合い、画像として写し出されます。
角膜と水晶体がそれぞれレンズの役割を果たしているのです。
屈折力はジオプターという単位で表されますが、目全体の屈折力は大雑把に言うと60D(ジオプター)です。
そのうち、角膜が約40D、水晶体が約20Dを担当しています。
D(ジオプター)=1/f(焦点距離) fの単位はメートル
近視や遠視の人の場合、この60Dと言う目全体の屈折力がごくわずかずれて正視の人とは違ってきます。
つまり、一般的な近視や遠視とは目の屈折異常によってもたらされた症状なのです。
眼科では近視の程度を屈折力のずれから以下のように分類しています。
-3D未満 軽度近視
-3〜-6D未満 中等度近視
-6D以上 高度近視
遠視の人は、プラス方向に屈折が変化します。
正視の人は屈折に異常がないので0Dと表現されます。
通常、自分の視機能を判断する材料として視力を問題にします。1.0だから目が良い。0.1だから目が悪いなどと判断しますが、これは単に遠方の二点の離れ具合が見極める力です。
見え具合を知る上では参考になりますが、どの程度の軸性近視かを知るにはもっと客観的な「屈折力の異常の程度」を知ることが重要なのです。
眼科医にとっては、視力はあまり重要ではなく-何Dの近視なのかといったこの数値が重要なのです。
近視矯正手術とは、すなわち屈折の異常を修正する治療を意味しています。
当然のことですが、屈折異常が小さいほど修正も容易になり、メガネで言えば薄いレンズになります。
逆に、屈性異常が大きいほどそれを修正してピントをあわせるには分厚いレンズが必要になります。
厳密に言えば、視力と屈折率の異常は必ずしも一致しません。視力が0.8と0.6の人の屈折率の異常の程度は同じということもあります。
しかし、屈折異常が激しいほど視力が低下する事は事実であり、たとえば-6Dくらいの高度近視であれば視力は0.03などの低い数値になっているはずです。
屈折異常を治すことができれば視力も回復するのです。
●手術の対象とならない調節性近視
近視の種類のうち「調節性近視」というものがあります。
日本では、仮性近視とも言われています。
外から入ってきた光は角膜と水晶体で屈性されピントがあいます。
水晶体は、その人が若い時は厚くなったり薄くなったりしながらズームレンズのように屈折率を自由に変化させる事ができます。
ところが、近くのものばかり見ていると近くに調整する習慣がついてしまい遠くのものが見えにくくなることがあります。
これが、調節性近視(仮性近視)です。
調節性近視の場合は、過剰な調整をとってあげれば再び、きちんと見えるようになることもあるのでメガネや手術による視力矯正は逆に問題が生じることになります。
しかし、軸性近視に比べてずっと少ないと考えられ、近視で悩んでいる人の多くは軸性近視です。
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